2005年 12月 13日
人はなぜ生まれたか 1998年12月15日初版発行 2003年 4月10日三版発行 著者:デイビッド・シュパングラー 訳者:山川紘矢・山川亜希子 発行:株式会社日本教分社 P41~ 私が10代になったばかりの頃のことです。私は何人かの超能力者やチャネラーに会うようになりました。私の両親が超自然的現象や超心理学的現象に興味を持っていたからです。こうした人々の何人かは、すぐれた技術と誠実さをもっていました。それは彼らが技術と誠実さはもちろんのこと、聖なるものと深く同調し、生命そのものに対して敬虔な気持ちを持っているひとたちだったからです。ところが不幸なことに、そうした超能力者はごくまれにしかいませんでした。 その頃、私が会った大部分のチャネラーたちは、技術的にも問題が多く、聖なるものに本当に同調しているとは言えませんでした。その上、そのことを認める誠実ささえもちあわせていませんでした。彼らは個人として、エゴに突き動かされていました。あがめられたり、人を支配したり、権力をもったりすることには興味を持っていても、自分のところへ相談にやって来る人々の幸せや自己解放には、特に関心をもっていませんでした。とても尊敬できるような人たちではなかったのです。 その結果、私はチャネラーや、チャネリングそのものに対して強い偏見を持つようになりました。というのは、チャネリングそのものが、当人の人格をゆがめがちであり、しかもほとんどのチャネラーは向こう側の霊的に高いレベルとは接触していないと感じたからでした。 ところが、ある朝のこと、ある霊的な存在が私にコンタクトしてきました。「こんにちは。あなたと一緒に働きたいのです!」と言われた時、本当にびっくりしました。私は生まれた時から、霊的な存在のことも非物質的次元、つまり、霊的な世界があることも、ずっと知っていました。しかし、10代になって、私と同じような体験をしている人々に出会うまで、そうしたことをあまり考えたことはありませんでした。 私が驚いたのは、そのような霊的な存在の一人が特別に私を呼び出して、「一緒に仕事をしよう」と言ったからでした。 私はこの霊的な存在を「ヨハネ」と名づけました。その名前が好きだったからです。この名は、私にとって、愛にあふれた精霊の本質を現していました。そして、その存在は深い愛そのものだったからです。今でもそのとおりです。 しかし、精霊ヨハネが私と一緒に働きたいと言ったとき、そうした仕事はチャネリングしかしらなかったので、最初は気がすすみませんでした。しかし、ヨハネは、私がトランス状態になることにも、チャネルすることにも、自分はまったく関心がないと確約してくれました。そこで私は、彼とパートナーシップを組むことに同意しました。 しかし、それから2年後のある日のこと、ヨハネは私に言いました。 「依頼者のためにリーディング(精霊からメッセージをもらうこと)をしてくれませんか?」 ヨハネは、自分が助けるから、霊的なコンサルタントをお前に体験して欲しいといったのです。私のとっさの反応は「まさか。冗談はよしてください。私にそんなことをしろなんてとんでもない」というものでした。その時もまた、チャネラーになれ、といわれたのかと思ったのです。 「いや、そうことではない」とヨハネは答えました。 「我われは、君がもっとよく理解し成長するために、とても良いことだと本当に思っているのだ、でも、トランス状態にならずに、普通の意識状態のまま、やってもらうことにしよう」 私はそれでもやりたくありませんでした。しかし、それまでに、ヨハネに対する私の信頼は確実なものとなっていました。結局、私は「わかりました。では、やってみましょう」と言いました。しかし、私は恐怖でいっぱいでした。また正直なところ、変なプライドと高慢さから、「自分だけはそこらにいる占い師みたいなものには絶対にならないぞ!」と自分に言い聞かせていたのです。 それにもかかわらず、私は看板を出し、やがて沢山の人がリーディングをしてもらいに来はじめました。この仕事は3年ほど続きました。その間にびっくりするような体験をしました。私が別の次元とコンタクトしていると知ると、人々が、いとも簡単に自分の持っている力を全部、私に託してしまうのがわかったのです。私が精霊と話すことができるというだけで、彼らは私をえらい先生にまつりあげ、自分の判断や、自由意志を私やヨハネに全面的にゆだねてしまったのです。そして重要な選択を自分のかわりに私たちが行うように、たのむのでした。 しかし、ヨハネも私も彼らから力を奪うようなことはしませんでした。彼らがヨハネに、どうしたらよいかをたずねると、ヨハネは「わかりました。あなたの質問はこうですね。どうすればいいか、あなたは自分で知っていますから、話し合いませんか? まだ、あなたは十分に考えつくしていないので、それに気づきもしなければ、認められもしないだけなのです。だから話し合って、どんな選択ができるか見てみましょう」そういって力を相手にもどしてやるのです。そのあと、ヨハネはその問題について、質問者と話し合います。ヨハネは相手の視野を広げ、問題を明確にするために、自分の意見も述べます。そして最後には、どうすべきか自分は知っていたことに、相談者は気がつくのでした。 面白いことに、人がもっとも多くする質問であり、しかもヨハネにとって答えるのが難しかった質問は、「私への呼びかけは何ですか? 私はどうしてここにいるのですか? 私はこの人生で何をすることになっているのです?」という質問でした。 そうした質問に対するヨハネの反応はとてもおもしろいものでした。みんながなぜ、こんな質問をするのか、よく理解できない自分をおもしろがり、少々困惑している様子だったのです。ヨハネが私にしばらくの間、霊的なカウンセリングをやってもらいたがったのは、ひとつに私に学んでもらいたかったこともありますが、(そして、チャネリングに対する偏見をなくしてもらいたかった)、もう一つの理由は、そのことを通して、ヨハネ自身もまた学びたかったからだと思いました。彼は、人間が何を望んでいるのか、人間に何がおこっているのかを学びたかったのです。 そこで人々がヨハネに「私は何をすることを神から求められているのですか?」と質問すると、ヨハネは私に聞いたものです。 「この人はどうして、こんな質問をするのですか? どういうことですか? 彼らは何をさがしているのですか?」ヨハネと私は心も魂もしっかりとつながっていたので、ヨハネが見ていることは私にもわかりました。彼らへの「神の呼びかけ」は、ただ自分自身でいることなのです。 つまり、「神の呼びかけ」とは、今、ここで、個人の人生のすべての部分にわたって、どうすれば「自分の本質」つまり愛でいられるかを発見することなのです。言いかえれば、ヨハネが言っているのは、「背景的呼びかけ」に気づくことでした。それは、「自分を愛しなさい」「隣人を愛しなさい」「私たちが聖なるものと名づけているものの存在と神秘を愛しなさい」という「呼びかけ」なのです。 そもそも、ヨハネにとっては、いずれの人に対する神の呼びかけも、背景的呼びかけを高めて明確化してゆき、それを自分の人生の基礎とせよというものです。それは宇宙の背景放射を高めよというようなものです。 時々、私たちに会いに来た人に対して、ヨハネが「この人は、この地上に、ある特別なことをするために生まれてきました。それは何々をするためです」ということがありました。しかし、そうしたケースはきわめてまれなことでした。 普通ヨハネは次にように言いました。 「では、あなたの人生を良く見てみましょう。人生の特徴や内容から、あなたがここにいる理由がわかるからです。あなたがここに生をうけたこと自体があなたに対する贈り物なのです。それはまた、あなたから地球に対しての贈り物でもあります。あなたがここにいるのは、地球があなたに「呼びかけた」からです。地球はこの時代にあなたに生まれてくるようにと『呼びかけた』のです。というのは、愛といつくしみの力を広げることのできる魂を、そして従来の型にはまった習慣的、伝統的な見方を超えてものごとを見ることができ、『何かもっとあるのではないか』と問う魂を、地球は必要としているからです。地球は『そうだ、もっと何かがあるはずだ』と言える人を必要としています。知識、発明、知恵、悟りをもっと増やすだけではなく、もっと共感を、もっとやさしさを、もっといつくしみを、もっと思いやりを、もっと愛を、もっとお互いの価値を認めようと言う人が必要なのです。それがあなたの生まれてきた理由なのです。それこそがもっとも気高きものなのです。なぜなら、それこそが、あなたの人生に、神のエネルギーをあらわしてゆくものだからです。
by sadomago
| 2005-12-13 23:06
| スピリチュアル・ヒーリング
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