カテゴリ:プロセスワーク( 4 )

2006年 07月 05日
24時間の明晰夢 vo3
24時間の明晰夢--夢見と覚醒の心理学〈新装版〉

著者:アーノルド・ミンデル
訳者:藤見幸雄+青木聡
2001年11月10日 初版第1刷発行
006年5月1日 新装版第1刷発行
発行:春秋社

第一部 無為
 第一章 《24時間の明晰夢》 P4

| ドリーミングに与えられたさまざまな名称 | P13~
 物質に隠されているドリーミングの力は、すべての物の未来の形を生み出すポテンシャルである。二十世紀には、フロイトとユングが潜在意識や無意識という観点からドリーミングについて述べた。今日、心理学は広く普及し、非常に多くに人々が、自分の行動の潜在的な起原としての無意識に言及するようになっている。
 フロイトが欲動の概念を発展させ、ユングが潜在意識の中に元型を仮定し、エリクソンが 「無意識」 を紹介して以降、心理学は無意識の探求に行き詰ってしまった。アボリジニーのドリーミング (それから仏教における知覚の考え方――これについてはのちほど見ていく) を研究することは、無意識について多くのことを教えてくれるだろう。この領域をより深く知るようになると、超心理学、心身医学、シンクロニシティ(共時性)、そしておそらくは人生そのものより深く理解できるようになることだろう。
 アメリカ先住民、オーストラリアのオボリジニー、タオイスト、禅仏教徒、タントラ瞑想家、世界各地の神秘主義者たちは、ドリーミングの世界はを 「無」 だとは考えない。こうした人々にとっては、セエンシェントなドリーミングの世界は、現実の基盤である。今日の主流派文化においては周縁化され、見えなくなっているが、ドリームタイムは有史以来、人々にとって本質的な現実だったのだ。
 日常生活を顕現させる 「活力に満ちた傾向」 には、さまざまな名称があてられてきた。タオイストたちはそれを 「語りえないタオ」 と呼ぶ。古代中国の賢人である荘氏は、ドリーミングのことを 「根源的な力」(潜在的な真の力) と呼んでいる。アメリカ先住民たちは、それを 「偉大なる精霊(グレートスピリット)」と呼び、タントラ瞑想家たちは神秘的な 「虚空」 と呼ぶ。物理学者たちは量子派動関数を語ることでそれを言い当てている。
 数多くのスピリチュアルな伝統や永遠の哲学がドリームタイムの概念を提唱しているにもかかわらず、私たちの多くはドリーミングを忘れ、日常的な現実が唯一のものであるかのように、それにしがみついている。私たちが受け継いだドリームタイムの探求を妨げるものは何だろうか?

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by sadomago | 2006-07-05 12:43 | プロセスワーク
2006年 07月 04日
24時間の明晰夢 vol2
24時間の明晰夢--夢見と覚醒の心理学〈新装版〉

著者:アーノルド・ミンデル
訳者:藤見幸雄+青木聡
2001年11月10日 初版第1刷発行
006年5月1日 新装版第1刷発行
発行:春秋社

第一部 無為
 第一章 《24時間の明晰夢》 P4
 
| ドリームタイムと物理学 | P10~
 アボリジニーのドリームタイムの伝統によれば、すべての物、人々、そして出来事は、原初の想像緒力の残響 (エコー) である。あらゆる地域の先住民たちは、大地を敬い、崇拝している。彼らは大地を創りあげている神秘的なドリーミングの力を感じているのだ。あるアボリジニーの長老はこう言う。 「あなたの心の中に夢があるように、この石の内には火打石が生きている。そのエッセンスはドリームタイムからこの石の内に準備されていたのだ」 
 現代の科学者たちはそのようには考えない。科学者たちは教わった通りに、人がまず石を観察して、そこから火打石を意識的に作り出そうとしたと考えている。それに対して、アボリジニーの長老は、石はそれ自体の内にドリーミングを持っていると言う。そして石が、すでに内側に存在している火打石のエッセンスを顕現させるために、 「観察者」 の手と 「交流」 し、あるいは 「観察者」 の手を 「夢見る」 とされる。言い換えれば、あなたが観察して、何かをするのではない。あなたは対象に惹きつけられ、その対象のドリーミングの力があなたに行動を起こさせるのである。 このように現代科学とアボリジニーの教えは異なっているが、両者には似たような考え方もある。先住民の人々はドリームタイムのことを、すべての存在が発生する根源的かつ本質的な力だと言う。一方、量子物理学は、そこから現実が生成する不可視の数学的な 量子ポテンシャル について述べる。
 ご存知かも知れないが、量子の世界は、直接的に見ることも測定することもできない。ヴェルナー・ハイゼンベルグがかつて述べたように、量子ポテンシャルとは 「出来事が起こる傾向」 を示している。私はは最新刊 『クォンタム・マインド――物理学と心理学の境界』で、ドリーミングの力を物理学における量子ポテンシャルの観点から理解できることを示唆した。
 出来事が起こる傾向、あるいは量子ポテンシャルの意味を、心理学的な体験を通して探求してみよう。たった今、あなたは座るか寝るかしてこの本を読んでいるだろうが、自分の身体にはどのように動きたい傾向があるかを自問してほしい。まだ動かないで、そうした傾向を時間をかけてゆっくり感じてみる。次にそうした傾向にまかせて自分の身体を動かしてみる。あなたの内側の最も深い部分の傾向に従って動きながら、自分の身体が作り出している動きに注意を向ける。それはあなたにとって何らかの意味をもっているだろうか?

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by sadomago | 2006-07-04 13:14 | プロセスワーク
2006年 06月 19日
24時間の明晰夢 vol1
24時間の明晰夢--夢見と覚醒の心理学〈新装版〉

著者:アーノルド・ミンデル
訳者:藤見幸雄+青木聡
2001年11月10日 初版第1刷発行
006年5月1日 新装版第1刷発行
発行:春秋社

第一部 無為
 第一章 《24時間の明晰夢》 P4

P4~
 オーストラリアのアデレードの朝は暑く、乾いていた。エイミーと私は、葛藤(コンフリクト・レゾリューション)を解決するための集まりをファシリテートするために、大学の近くを流れる川に沿って急ぎ足で会場に向かっていた。私たちは、アボリジニーが剥奪された自らの土地の権利を政府からうまく取り戻せることを願い、集まりがどうなるかと気をもんでいた。
 一緒に歩いていたアボリジニーの長老ルイス・オブライエン氏が、私の肩にやさしく手をかけて静かに言った。 「アーニー (訳者:ミンデルの愛称) 、あそこを見てごらん.街の中心地の方角だ。何が見えるかい?」 私は騒々しいビジネス街、ヴィクトリア・スクエアが見えると答えた。たくさんの人々がショッピングを楽しみ、車が警笛を鳴らし、バスが交通渋滞の中をゆっくり進んでいた。 「忙しそうな街が見えます」 と私は言った。
 アンクル・ルイスは、「もう一度よく見てごらん」 と言った。再度見ても、同じ騒々しい街が見えるだけだった。「なるほど、視力はいいようだ。しかし、ドリーミング(夢見)を見ていないようだな。白人連中はドリーミングを見ない。しかし、それにもかかわらず、それを感じている。白人連中はあそこを街の中心にした。私たちアボリジニーは、いま街の中心地になっている所でよく野宿をしたもんだ。あそこはドリーミングが最も強力な場所なんだよ。ヴィクトリア・スクエアは素晴らしい場所だ。だから、あそこにあるビジネス街はうまくいってるんだ」
 私は、周囲の環境に対する意識を揺さぶられ、目が覚める思いだった。都市に対する私の見方が、アメリカ的なものの見方や色眼鏡で歪めらていることに気づかされたのだ。この長老に出会うまでは、選択肢を与えられたならば、私は都市を避けて自然の豊かな田舎を好む傾向があった。
アンクル・ルイスは、私が田舎に求めていた自然の驚異が、目の前の慌しい街にもあることを教えてくれた。ドリーミングはいつもそこに存在している。それは日常生活と呼ばれる出来事やありふれた対象の周りにかすかに感じ取れる、雰囲気のようなものと言えるかもしれない。

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by sadomago | 2006-06-19 07:55 | プロセスワーク
2005年 10月 11日
コーマーワーク
アーノルド・ミンデル
昏睡状態の人と対話する―プロセス指向心理学の新たな試み
2002年 5月30日第一刷印刷
日本放送出版協会


コーマーワーク
P120 L7~
 植物状態やトランス状態にとどまったままの人々の多くは、微かな合図やフィードバックをあなたに送って寄こすことで反応するであろう。微かな合図は呼吸のペースの変化や、あなたからのコミュニケーションに結びついた目やロの動きを通して受け取ることができる。
こうした合図はあなたがしていることに対して、クライアントが反応していることを示しているのかもしれない。こうした反応は、あなたがコンタクトを取りつつあるという、喜ばしいポジティブな兆候といえる。
 先日私は、発作の後、完全に麻痺してしまった入院中の八十歳の男性を訪れた。私は彼の呼吸のペースに合わせて、そっとささやきかけるような感じでこう伝えた。「ハンス、今夜あなたと私は大切な体験を共にしようとしています」昏睡状態にあるクライアントのほとんどは、反応するのに最低でも二十分は要する。しかし、この男性の反応はあまりにも急激だったため、私はショックを受けた。彼は即座に目を見開いたのだ。彼は私の目を真正面からじっと見つめ返してきたのだ。私がコミュニケートし続けると、彼は目で合図を送ってくれて、ひとつの経験から次の経験へと私をいざなってくれたのだ。
 トランス状態を展開する次のステップとして「道を開く(finding the way)」ことが必要になる。この時点であなたは自らの意図をあきらかにしなければならない。たとえば次のようなことを伝えるのだ。「私はあなたの呼吸のペースにしたがっています。私は何であれあなたの中で起きていることについていきたいのです。あなたの周りやあなたの内面で生じていることは、大変重要なのです。なぜならそれが私たちにどうやって先に進んだらよいかを示してくれるからです。それが私たちに道を指し示してくれるのです」
 クライアントに対し内的なプロセスが自分たちを導いてくれると告げることで、クライアントにその場で生じていることが大切なことであること、そしてしたがうべき道があることを理解してもらうのだ。またそうすることでクライアントに対し、あなたがその道にしたがうための手助けをするので、その途上で彼がひとりぼっちではないのだという気持ちを伝えることにもなる。そして最後にこのメッセージこそが、彼が自分自身の力で目覚めるように促し、それを可能にするものであることをつけ加えておこう。
 私はクライアントが特定のサインやシグナルにしたがうのを手助けすることによって、「道(way)」に接近することをお勧めしたい。彼が息を吐いた時、次のように言うのもよいだろう。「あなたのすべきことは、起こっていることに気づくことだけです。もし何かが見えるのなら何であれ見ているものを見るのです。感じているものを感じ切るのです。何か聞こえているのなら、聞こえてくるものに聞き入るのです。必要なだけ時間をかけて、見て、聞いて、そして感じるのです」
 このワークの第三ステップにおいては、微かな兆候をピックアップし始める必要がある。この時点になるとクライアントに、反応する時間を与えなければならない。彼に起きている
ことを見、聞き、感じるように伝えながら、次のような微かな手がかりを見守るのである。

 聴覚的な変化:呼吸の速度、深さ、音
 
 動きの変化:痙攣、ぴくぴくした動き、筋肉の反応、表情の変化、顔をしかめる。クライアントが突然ロの端を動かしたり、唇を広げたり、何か考えているようにまゆを同時に動かしたりする場合もある。以上のようなさまざまな動きが刺激に応して持続的に生じた場合、それらを他者に対するコミュニケーションの手段(単なる神経の反射的動きとは異なる)とみなしてもよいかもしれない。
 
 目の変化:目を開くような動き、視線を集中させる、視線を動かす。また目の色合いが変化する場合もある。昏睡状態の患者が目を開いたままで、どんよりとしている場合、彼らは何も見ていない代わりに、何かを感じていたり、聞いていることを示している。

 クライアントが反応したり、あなたがこうした微かな手がかりに気づくまでに多少の時間がかかるかもしれない。クライアントの身体の動きや呼吸にしたがっている際、ただ受け身でいるだけでなく、周囲および自身の内面で何か起きているかを観察することを通して状況にコミットするのだ。あなたは、自分自身の呼吸の変化や体温の変化、さらには、自然に頭に浮かぶファンタジーの内容やイマジネーションの動きに対しても、鋭敏に目覚めた状態になるかもしれない。
 私は以前、交通事故の現場に居合わせた時のことを思い出す。私は重傷を負った男性のそばに座り、救急車を待っていた。私は突然、路上に横たわったままで息絶えた身体から、彼が抜け出そうとしているビジョンを見たのである。その直後、彼は呼吸をしなくなった。私は我を忘れて彼を怒鳴りつけてしまった。「オイ!」私は言った。「今はまだダメだ! 早まるな!」すると波は再び息を吹き返し、一命をとりとめたのである。
 徴かな手がかりに対してあなたがどのような種類の反応を伝えるかというのは、クライアントにとって重要である。あなたからの反応によって絆の存在が明らかになるのである。彼はそのことで自分ひとりではないこと(見つけてもらったこと)を理解するのだ。あなたの対応は、彼が何をしているかに彼自身が自覚的になるための手助けとおなる。それは彼が体験していることについてもっと「伝える」ように促すこととなるのだ。
 プロセスワークがまず試みる対応方法は、「ブランク・アクセス対応」(訳注:ある種の投影法的な関わり)である。それは最も有効な対応方法で、クライアントにさらなるコミュニケーションを促すものである一方、コミュニケーションの内容についての憶測を避けるやり方である。クライアントを知的に理解しようとすることは、十分なサポートが与えられれば自ずとあきらかになるかもしれなかったはずの、当人からの表現方法を禁じてしまうこともあるのだ。
 実は、私たちはきわめて日常的にブランク・アクセスを使用している、瞑想、海や山を眺めること、そして音楽を聴くことでさえもブランク・アクセスなのである。というのも、それらは何であれ必要なものを浮上させるための道を開いてくれるからである。私たちは空白(ブランク)の部分を自分白身の音やイメージやファンタジーで埋めるのである。あらゆるブランク・アクセス・メゾッドは人々の気持ちを穏やかにすると同時にクリエイティブでもあ
る。それらは時間と空問(ブランク)を提供することで、内面にあるものを引き出す手助けをしてくれるからである。言語的なブランク・アクセスは「そう。その通りだとも」、聴覚的なブランク・アクセスは「〈それ〉に耳を傾けてください」というように言うことである。このように刺激的でありながら内容を伴わない言葉はとても助けになる。「内側に目を向けてよく見てごらん」とか「白い壁を見て絵を描いてごらん」といった視覚的なブランク・アクセスは魔法のような効果を現すこともある。
 昏睡状態にある人とワークを行う際、熟のこもった言葉で対応することは大切だが、内容が空白であることが重要である。もしクライアントのまなざしが何かに向けられていたら「ああ、私もそれを見ています!」と言うのもいいだろう。「私を見なさい!」というような
言葉はあまりに直接的であるため、相手が本当に見ているものとは一致しないかもしれない。
「うわあ!」「そう!」「おやまあ!」といった熱がこもっていながら内容を持たない言葉は、クライアントの必要性に応じて解釈される。もしも視線が焦点を持たないままで左右に動いていたら「私にもそれが聞こえます」といった言葉を試してみるのもいいかもしれない。またもし彼が目を閉じリラックスして眠ったように見えたら「何かを感じとることは大切です」とか「静寂は素晴らしいですね」と言ってみてもいいかもしれない。何かを言うたびに、手のタッチを静かに変化させることで手からも同じメッセージを伝えることを忘れないように
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by sadomago | 2005-10-11 08:05 | プロセスワーク