2006年 01月 09日
宇宙人の魂をもつ人々 第一刷―1997年6月30日 第五刷―2005年8月10日 著 者:スコット・マンデルカー 監修者:南山 宏 訳者:竹内 慧 発行所:株式会社徳間書店 監修者まえがき 南山 宏 西暦1千年紀からいよいよ2千年紀に入ろうとする直前の今、人々は世界破滅の予感に怯える終末論的恐怖と、新世紀での人類再生と宇宙意識覚醒への期待とのはざまで揺れ動いている。 それを地球の自転公転の周期に基づくたんなるカレンダー上の出来事にすぎないと笑い飛ばすのは、物質としての脳は活発でも精神的感性の鈍磨した唯物主義者だけだろう。天体の運動が生物の生理的活動を通じて精神的活動に影響を与え、また、世紀末を意識する個々人の心理的反応が人類全体の集合無意識を形成していることには、ほとんど先験的に疑う余地もないからだ。 心と脳、精神と物質、霊魂と肉体―捉え方は人さまざまだろうが、おしなべていわゆる内的宇宙と外的宇宙との間には奥深い密接な相関関係がある、と説くいわゆるニューエイジ系の学者が輩出する中で、今ひときわ注目を浴びているユニークな存在は、本書の著者スコット・マンデルカー博士である。なにしろ、現在この地球上にはかれこれ1億人もの。“非地球出身者”――平たく言えば“宇宙人”、著者独特の用語に従えば“ETソウル(本書では「ET人格」などとしている)”が、地球をいい方向に導くためにやってきて住んでいるというのだから! もちろん、博士のいう“ETソウル”は生身の肉体を持った異星人が地球にひそかに移住してきているという意味ではない。高次の星や次元の世界から“魂”だけが、いわば、“意識体”として地球に移転してきているというのだ。同じ分野の研究家によっては、これまで“スターピープル”“スターボーン”“スターシードなどと呼びならわしてきた存在と、ほとんど同義といってよいだろう。 マンデルカー博士によれば、その“ETソウル”にも大別して2種類あるという。一方は異星から転生した魂が地球人の肉体に宿って誕生する場合、他方は途中で地球人の肉体に入り込んでいい意味での人格転換が起きてこる場合で、博士は前者を“ワンダラー”後者を“ウォークイン”と名付けている。地球に来ているETソウル1億人のうち、95%がワンダラー、残り5%がウォークインだという。ただし、自分がETソウルだと自覚している者は、全体のわずか15%にも満たないそうだ。 1億人と言えば地球総人口の60分の1、つまり60人に一人はETソウルになる計算だが、いったいどんな人がETソウルなのか、その詳しい識別法は本書巻末の「ET度自己診断テスト」にまかせるとして、ひと口に言えば、いろんな意味で疎外感(エイリアネーション)に悩み、苦しんでいる人らしい。文字どおりエイリアン(疎外された人)ということになりそうである。 むろん、このマンデルカー博士の主張を裏づける科学的証拠は、目下のところ皆無である、正直言って、これは科学の問題ではなく、信念あるいは信仰の領域に属する問題なのだ。信じようと信じまいとそれは各人の自由である。ただ、後述するように私にはちょっと思い当たることがあって、まんざらただの空想的仮説には思えなかったのだ。それは別としても、私がとくにいたく興味を惹かれたのは、本書ではあまり具体的に触れられていないのだが、心理学の博士号を持つこの若い学者がそもそもどのような生命観宇宙観に基づいてこんな理論に到達したのか、という点だった。 幸い、私は今年の3月末、超常現象専門誌〈ボーダーランド〉の助力で、たまたま私用で来日したマンデルカー博士にインタビューする機会を得た。その席上で博士は、私のぶつけるさまざまな疑問に明快率直に答え、白板で図解までして熱心に自説のレクチャーをしてくれたのである。同誌編集部の了解のもとに、とりわけ本書の内容の理解に役立ちそうな部分を駆け足で紹介しようーーまず、博士の考え方の基盤をなすのは、キリスト数的宇宙論と東洋的輪廻転生観、さらに最新のチャネリング情報を融合させた全体論的ニューエイジ哲学と呼ぶことができるだろう。 彼は宇宙の本然の姿ー根本的性質とは、“ワンネス(調和した完全一体性)”であり、創造主の本来の欲求ー万物の存在する理由とは、私たちにとって“生きる意味”とは、“ユニティ(一体化)”すなわち「一つになること」の達成にあると考える。その達成には物質的進化ではなく霊的進化ー“塊の進化”が必要で、そのためには私たちは、経験から真の愛と寛容を学び、自己啓発を続けて進化の段階を一段ずつ上がって行かなければならないという。 博士はそこに“次元”の概念を導入する。ただし、次元といっても物理数学上のディメンションではなく、意味の上ではデンシティ(密度)に近いという。強いて訳せば“精神密度”あるいは“霊性密度”ということになるだろう。 まず、基本物質の段階(彼は哲学的に4大元素、地・水・火・風と説明する)は1次元、心(マインド)と体(ボディ)を持つ動植物は2次元の段階である。心と霊(スピリット)がスパークして意識を持つと、人間のように魂(ソウル)が宿った存在になり、これが3次元の段階というわけだ。ちなみに私たちの飼うペットは、人間に愛され触発されたおかげで、次に転生するときには人間に生まれ変わるチャンスに恵まれることもあるという。 ここで私たち3次元の存在は、転生する際に“進路の選択”を迫られる。愛と寛容を学んで霊性を高めた結果4次元に上がれるか、3次元に留まるか、2次元に墜ちるかの三者択一だ。ただし、ここで4次元に進む人間のうち10%ほどは、一体化ではなく分離化の方向に進む者もいる。これはネガティブ(必ずしも邪悪という意味ではない)な瞑想や修行によつて霊性を高めた結果だという。 さらに叡智と光(真理)を護得するにつれて5次元、6次元と上がり、6次元の段階まで進化すると、ネガティブもポジティブもなくなって両者は再び合一を遂げる。最後に、最高段階の7次元に到達すると、そこはもはや神仏のレベルであり、永遠の存在となって事実上、創造主と一体となるのだ。 マンデルカー博士の“ETソウル”は、ワンダラーもウォークインもみな4次元以上の世界から、地球人とその文明を助け、奉仕する目的で、自ら志願してこの惑星に移転してきたポジティブETだという。ただ、ワンダラーのほうは、転生してきた際に過去生(前世)の記憶を失っている場合が大半なので、多くはおのれの真の使命に気づかぬまま何らかの疎外感に悩まされ続け、中にはもっぱら自分の利益の追求に励んでいる人もいることだろう。 ところで、おそらく読者のみなさん同様私が気になったのは、同じETの問題でも、UFOやその乗員はどうなのかということだ。博士の説明はこうだった――たしかに物質としてのUFOもそれに乗り組んだ宇宙人も、3次元のたくさんの星から地球を訪れている。だが、大半はネガティブな性格のETで、通称グレイと呼ばれる種族もそうだという。彼らはエリート志向、権力支配、競争原理などを好み、人類をその方向に手助けしている。アメリカ政府のUFO隠蔽政策も極秘のUFO試作実験も、そのせいだという。 時にはポジティブなUFOも姿を見せるが、これは人類を善導する使命のために高次元のポジティブETが投影する意識体なので、物質ではないという。ネガティブETの存在は警戒しなければならないが、現実には9対1の割合でポジティブETのほうが多いし、地球の周囲には彼らによって“光のバリヤー”が張られていて、ネガティブETの侵入をある程度防いでくれているらしい、あるポジティブETのグループは、そんなネガティブETにさえ愛と光を送り続けているほど慈愛深いのだそうだ。 マンデルカー博士は普通の意昧でのUFO研究家ではなく、ましてやETのメッセージを携えるコンタクティーではない。あくまでも独自の理論と研究をもって精神世界の探求にいそしむ少壮心理学者てある。その掲げる理論は、時としてあまりに空想的にも見える。 しかし、本書を読み、気さくで温厚寛容な人柄に接し、理論の詳しいレクチャーを受けた今、私は正直に言える――科学的な裏づけはなくとも、博士の理論に大いに惹きつけられ、信じたい気持ちに傾いていると。なぜならひとつには、いささか私事に及んで恐縮だが、私にも身近にはっきり思い当たることがあるからだ。 マンデルカー博士の理論を知るずっと以前だが、私の末娘がまだ4歳の頃、だしぬけにこんな不思議なことを言い出した――前にいた星から地球に墜ちてきて母親のおなかに入り、赤ちゃんになって生まれた、いろいろ知っていたが、バカになって生まれたのでよく覚えていないと。驚いて聞きただすと「前の星は花なんかが咲いていて楽しかった、お父さんもお母さんもいたけど、ここも同じくらい楽しいから淋しくない」とためらいもなく答えたのである。 幼女の言葉遣いどおりのメモ書きも日付入りでとってあるから、要旨に間違いはない。娘のそばでそれにほんの少しでも近い話など、私も家族もロにした覚えは全然なかった。テレビからでも偶然仕入れたと疑えばそれまでだが、ありそうにもない。それにしてもSF的な転生譚だと思っていたのだが、もし博士の理論が真実なら、無理なく説明できることになる。みなさんはどう思われるだろうか。 とまれ、この小文が本書を読まれるみなさんの案内役を多少でも果たせたとしたら、監修者としてこれに過ぎる喜びはない。読み終えた時、あなたは少なくともきっと心が明るくなり、周りの人たちに優しくなれ、自分の人生も捨てたものではないと思えるようになるだろう。私もそうだったのだから。
by sadomago
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