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2009年 01月 21日
無題
522 名前:どうでもいいけど[] 投稿日:2001/08/10(金) 20:17 ID:oo9JLZIg
宗教学の講義で聞いた話では、そもそも宗教の定義付けそのものができないというのが結論だった。世界の多様な宗教の全てに当てはまる定義を作れなかったからだそうだ。
だから、宗教学の立場では神道が宗教かどうかという議論は成り立たないと思う。
西洋人の持つ宗教観からすると、神道は異質な宗教に見えるようですが、やっぱり神道は宗教みたいですね。

以下引文
一九五八年の夏、第九回国際宗教史学会のために日本に訪れていたときの出来事です。メンバーの中には、我が国で指導的立場にいるニューヨーク出身の社会学者が含まれていました。この人物は、非常に国際色豊かな集団の中でもひときわ目立つ存在で、学識が高く、愛想のよい魅力的な紳士でしたが、いかんせん彼には東洋や宗教に関する経験がほとんど、あるいは全くなかったのです(いったいどういう訳で彼が参加しているのか首をかしげたほどなのです)。彼は、他のメンバーと共にいくつか荘厳な神社や美しい仏教寺院を訪ねたあと、待ちかねていたかのようにいくつかの重要な質問を始めました。その場には、会議に参加した多くの日本人も混じっており、神道の神官も少なからず見うけられました。見事な日本庭園で行われた園遊会の席で、我が友は神官の一人に近づき、こう言いました。「ねえ、あなた、私はとてもたくさんの式典に参加し、かなり多くの神社を見物しましたが、神道のイデオロギーがさっぱり理解できない。あなた方の神学思想がわからないのです」
 すでにご存じかもしれませんが、一般に日本人はお客様をがっかりさせないように努力いたします。そこで相手の日本紳士も、礼儀正しく、いかにも外国人学者の深遠なる質問を尊重していると言った様子で、考え込むかのようにしばらく沈黙し、それから唇をかんでゆっくりを頭を降りました。「私たちにはイデオロギーなど無いと思います」と、その神官は答えました。「神学思想もありません。私たちは、ただ踊るのです








523 名前:どうでもいいけど[] 投稿日:2001/08/10(金) 20:17 ID:oo9JLZIg
>>522の続き

私に言わせれば、これこそがこの会議で学ぶべきことでした。この言葉の意味はこうです。つまり神道発祥の地日本では、儀式は非常に荘厳で、音楽性が高く圧倒される様な雰囲気を持つが、その「情動イメージ」を言葉に置き換えることで萎縮させるようなことはしない、ということです。儀式や美術という形式をとって、「情動イメージ」が自ら語り出すのに任せ、聞く者の耳や目を通してイメージがその人の心の中に伝えられるのです。そして、それは西洋の宗教的儀式においても最も大切なことだ、と私は考えています。画家に、本人が描いた絵の意味をたずねてご覧なさい。そうすればそんな質問を二度としなくなるでしょう。大切なイメージは言葉を越えた洞察をーー言葉によって限定された意味など超越した洞察をーー含んでいるのです。もし、それが聞こえてこないなら、それはあなたの心にまだ聞く準備ができていないからです。言葉はただ、あなたが理解したと錯覚する手伝いをするだけで、それによってむしろあなたはイメージから全く切り離されてしまうのです。踊りの意味をたずねずに、踊りを楽しむことです。世界の意味をたずねずに、世界を楽しむことです。あなた自身にどんな意味があるのかをたずねずに、自分自身を楽しむことです。少なくとも健康な限りはやってみるべきでしょう。(ジョーゼフ・キャンベル「生きるよすがとしての神話」P113)

544 名前:Tusk[] 投稿日:2001/08/10(金) 22:12 ID:s9YmW1pw
興味深い引用どうもっす>>522
確かに次元が上の存在を人語で表現出来るはずがない。
原初の頃の宗教の初期衝動が、人語を超えた「超越者を認識」することだった
と考えれば、信仰心さえあれば皆な宗教ってことでしょうかね。

550 名前:どうでもいいけど[] 投稿日:2001/08/10(金) 23:06 ID:oo9JLZIg
>>544
あえて人語で「超自然の存在」を語ったものが、神話だそうです。
神話の世界は理性では納得しがたいもが多いですが、ここでも大切なのは象徴によって語られるイメージだそうです。
心理学の夢分析で、寝ている時みる夢の世界を額面通り受け取るのではなく、イメージとして解釈するのと同じ事らしいですね。

結局、宗教は理屈ではないんですね。
靖国参拝問題でも理屈でいろいろ議論されていますが(特に左翼の知識人)、それで割り切れる問題ではないと思います。
理屈では意味がないように見えても個人として大切だったり、集団として大切だったりするのが宗教なんですよ、たぶん。

by sadomago | 2009-01-21 23:46


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